最終12巻に至る様々な伏線のベクトルは全て「悲劇的終末」のほうを指しています。壊れていくジョー。でもそれは運命づけられたものという読者の暗黙の了解。 少年時代、このラストを読んだときも悲壮感・悲劇感は不思議と感じず透き通った清清しさだけが強烈に残ったことを記憶しています。 ジョーが本当に追い求めていたのはチャンピオンのタイトルそのものではなくリングで強敵と全力でわたりあう充実感ではなかったか。戦っている充実感があるからこそジョーは生きていられる。その充実感は頂点にのぼりきった瞬間=もう今後倒すライバルがいなくなる瞬間に消えてしまうのではないか。 20年経って読み返してもそのリアリティはそのままそこにありました。 driven
ジョーのラストといえば、真っ白に燃え尽きたシーンに目を奪われがちですが、このラストマッチとなった、ホセとの試合の中にジョーの軌跡が凝縮されており、最終ラウンドなどは、本当に全ての外音が遮断されてしまったような、読んでいても「まるでリングサイドにいるかのような」一体感と充実感を覚えました。
時代を超えて「何か」を訴えてくる、まさに名作です。
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